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福岡の劇団HallBrothersです。
11月14日・15日、福岡市科学館サイエンスホールにて上演する『親はバカだから』のライブ配信を行います。
◆あらすじ◆
美香凜は25歳。
3年付き合った彼氏からプロポーズされた。
一部上場企業勤め、性格も穏やか、社会の変化にも敏感、女性蔑視の価値観などみじんも持ち合わせていない。
将来、きっとイクメンにもなるだろうし、実家はそれなりに裕福なご家庭らしい。
いや、そんな条件面云々ではなく、美香凜は彼を心から愛している。
プロポーズはもちろん二つ返事でOK―とは言えない事情があった。
美香凜の親がバカなのだ。
学がなくても人間的に優れた人はたくさんいる。
が、母親はそうじゃない。
18で美香凜を産んで奔放に生きてきた。おかげでたくさんの苦労をさせられた。
大切な高校受験の前日、警察沙汰になった母親を迎えに行った時には、本当に殺してやろうかと思った。
結婚は二人の問題と言うが、やっぱり「家」というものがついてくる。
あんな親で彼の家と釣り合うはずがない―
愛する彼と忌み嫌う母親、二人の間で揺れる美香凜であったが……
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
作・演出の幸田です。
自慢じゃないが賢い子でした。
高校生までは超難関大学へ手の届きそうな成績で、
あのまま演劇などにうつつを抜かさず、ストレートに歩みを進めれば、きっとお金持ちだっただろうな、ということを考えることがあります。
けれど、相当嫌なやつになっただろうな、とも思うのです。
恥ずかしながら学歴や家柄で人を値踏みする子でした。
しかし、演劇にハマり脇道に逸れてからはそんな自分に気づくことができました。
演劇には本当にいろいろな人がいたからです。
もちろんいい人ばかりではなく、人間はここまでクズになれるのか、という人もたくさんいました。
けれどそのすべての出会いが人間というものを教えてくれたと思っています。
この作品で「差別や偏見はだめだよ!」と声高に訴えたいわけではありません。
ただ、世の中には本当にいろいろな人がいる、その一点を描きたいと思っています。
互いが互いを非難し合うギスギスした空気を感じる今だからこそ、
画面の向こうで、僕たちの演劇を感じていただければと思います。