若者のまち福岡市中央区大名。
セレクトショップやカフェ、居酒屋、バー、カラオケ……
福岡のみならず、九州一円から若者たちが集まって来る。
ここに来れば楽しいことがある。ここにいれば人生が変わる。華やかで楽しい時間が永遠に続く。そう思っていた。けれど―華やかなモノの裏には、同じくらいに濃い影がある。
大名に集う人々の夢と挫折、そして自分らしい生き方を見つけるまでを描いた青春群像劇。
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脚本・演出の幸田です。
以前『中央区今泉』という作品を上演したのですが、今作は全然別物です。『今泉』のリメイクではありませんし、完全新作です。
ではなぜ紛らわしいタイトルなんだという感じですが、描きたいことが同じ青春群像劇だからです。
僕自身は四捨五入したら50歳になってしまうオジサンなんですが、役者16人の平均年齢は29歳。青春真っ只中もいれば、そろそろ終わりが見えて来たコもいる。
若い頃「この楽しさ(あるいは苦しさ)は永遠に続くものだ」と無邪気に考えていました。そして、何かが終わってしまうことに寂しさと恐怖を感じてもいました。
しかし、年を重ねると「永遠などない」という当たり前の事実に気づきますし「終わりがあるから始まりがある」という真理も実感するわけです。
若さはそれだけで価値がありますが、ともすれば「いつまでも若く」といくつになっても「終われない、終わってはいけない」価値観が蔓延しているようにも感じます。
だからこそ、青春の始まりと終わりを描いた群像劇を作りたいと思ったのです。
総勢16名で送る青春群像劇。
ニヤニヤして眺めていたら、やがてハッとし、胸に何かが突き刺さる作品をお届けします。ぜひ、ご来場ください。